俺はこんなに愛しているのに、どうして無料出会いのお前は浮気をするんだ。
俺は全部知っている。
家政婦は見たの家政婦より、俺は彼女のことをよく知っている。
クリスマスにいきなり家族が病気になったから会えなくなったといってドタキャンした理由が、本当は浮気相手と会うためだったということも、知っている。
記念日にあげたプレゼントを質屋に持って行き、換金していたのも知っている。
なんでこんなことを知っているんだろう、自分でも情報網と友達の多さに驚いている。
知らなくてもいいことを友達は親切心で教えてくれる。
教えてくれなければ、知らなければ幸せなことは沢山ある。
俺は、俺のことを大切に思ってくれる人には申し訳ないけれど、彼女については触れないで欲しい、と思う。
俺は彼女が好きで、どんな扱いを受けようとも突き放すことも別れることも出来ない。
甘えられれば嬉しいし、好きだといわれるだけで幸せの絶頂に達する。
俺の幸せは俺が決めたい、ていうかきめる筈なのに。
そうこう考えていたら、出会い系の彼女から電話がかかってくる。
彼女が俺に電話をかけてくるときは、相当酔っ払っているか、孤独な気分を味わっているかのどちらかだ。
「もしもし。」いつもの高くて甘い声が響く。
どうやら前者だったらしい。
今日はどのくらい呑んだの?と呆れながらも聞くと、焼酎瓶一本全部だよ、と男の俺でもびっくりするような量を伝える。
身体は大事にしなきゃ、とたしなめる。
もうひとつの意味をも込めて。
お前の身体は俺だけのものなのに。
「分かってるよ、もう。心配性だねえ、ふん。」
としおらしい声を出し、俺のこころを複雑にさせる。
お前は、俺以外の奴にも電話かけてんのか。
お前の携帯の中には何人の男の名前が並べられているのか。
ぼんやりと考える。
まあいっか。
それでも、彼女の次の言葉には流石の俺も言葉を失った。
彼女からの言葉。
「ねえねえ、○○くんは、占いとか、信じているの?」